今日の精神科医療に関して

金子和磨[和クリニック院長]×多門靖弘[和クリニック事務長/臨床心理士]

第一回目の対談は、開院を前にして、当クリニックの院長である金子と事務/臨床心理士である多門とで今後の抱負と最近の精神科、心療内科での診療方法や患者さんの傾向について対談して頂きました。

診療へのアプローチ

金子

2013年1月7日、町田鶴川にて開業しました。今日は事務、臨床心理士である多門君と今後の抱負について語ろうと思います。

多門

先生とは丸五年くらいのお付き合いになりますね。その中でその人をどういう風に見ていくか、そこからの方針、役割分担だったりを共有できるようになったと思います。

金子

そうですね。精神科、心療内科ってカウンセリングというのは重要な位置を占めているとおもいます。今回の開業に関しては、あくまで町医者としてのスタンスを踏まえながら、その方に一番あった治療を選択することが重要だと思っています。

多門

それぞれの方に合った治療法を見立てることが大事です。カウンセリングと一言で言っても色々種類がありますからね。

金子

そうですね。ちょっとここは詳しくお話しましょう。

様々なカウンセリング方法

多門

例えば、カウンセリングと呼ばれる中でも、より体に対してアプローチを掛けていく方法である自律訓練法というのがあります。他にもその人の捉え方の癖とかを理解してそれを考えるだけでなく実際に行動を通して、その癖を治したり、考え方を変えようとしていく認知行動療法と呼ばれるものがあります。

金子

もともと人の体は自然治癒力があると思っています。ストレスがかかってしまうとどうしても心というものは傷つきやすく、抑うつ的になったり、体に不調をきたしたり、人からどう思われているんだろう等バランスを崩します。時には心の深くまで見つめて、整理することも必要ですね。

多門

普段気づかないような心の奥のことを整理する方法として、精神分析的精神療法があります。

金子

一回50分かけてカウンセラーと二人三脚で心の深い部分を共有していく過程が必要な治療です。ただ、その人に適切かどうかまず診察を受けて頂き、アドバイスさせて頂こうとおもいます。

最近の傾向と和クリニックのアプローチ

多門

先生は元々思春期を専門にされていましたね。

金子

ここ6年はクリニックに勤務していたので、中学生からお年寄りまで幅広く臨床経験を積んできました。中学生くらいの方や認知症の方も診療しており、若干何でも屋みたいになっているところもありますね。ただ、最近はうつ病の方やストレスに起因する心の不調でいらっしゃる方が増えてきている印象はあります。

多門

うつ病の方、増えていますね。

金子

時代の変化も大きいですよね。私見ですが、日本だと村社会から個人主義への時代の変化、バブルの崩壊、昭和から平成への変化、そして何より3.11を経て世の中や社会システムは変わってきており、ストレスや対人関係、他にも子育てだったりと生きづらく感じる世界になっていると思います。

多門

今、うつ病と言われている人はいわゆる昔言われていたうつ病と病態が変わってきているところもあります。かつて、家や会社でカバーできていたところが、良くも悪くも成果主義になって生きづらくなってる部分はあると思います。

金子

社会構造の変化は重要ですね。私が今回、地元である町田鶴川にて開業したのも、例えば医療に限らず、それ以外の方々とのコラボレーションが可能な町だと感じたからです。例えば、訪問看護の方や、地元のバラ農園を計画されている方や、アロマの方等様々なつながりが出来てきていると確信しています。こういうことから、今の世の中の圧迫感を変えていけるような試みを行います。

多門

圧迫感、孤立感もありますよね。特に診療所やクリニックをそこですべてをやらなければいけないのだけれでも、なかなか難しいとおもいます。そういったところをうまく活かせるとよりよい医療を提供できそうですね。

金子

そうですね。精神科、心療内科ってどうしても薬のイメージがある方は多いとおもいます。もちろん、お薬は必要なのですが、副作用に苦しむのも嫌なものです。私は漢方薬による診療も行なっております。そして先程申し上げたカウンセリングの充実も大切なことだと思っています。そして、お互いが理解し合えるわかりやすい医療を目指して行きます。